問診について基本的なことに立ち返ると、改めて問診の大切さを感じます。
問診では、まずは主訴が何なのかを確認します。その次に主訴は何が原因で起こっているのかを推測します。それは、まずはフィジカルなのか、内臓由来なのかが大別できます。この段階でキッパリと分ける必要はなく、どちらもある可能性を考えておきます。
フィジカルの場合は(思い当たるきっかけがあるような外傷ものもであればフィジカルの可能性が高いです)骨盤や脊柱の歪みがないか、頚部の張りがないか、など主訴と関そうな場所を考えて五大評価と結びつければ良いでしょう。フィジカルの考え方はアキュゾーンにおいてはそこまで複雑ではありません。問題は内臓由来の場合です。
内臓由来は肝、心、脾、肺、腎と五臓を基本的には考えますが多くの場合は肝、脾、腎のケースです。では、肝や脾、腎がどのような状態なのかが把握できるような問診が必要になります。
例えば腎を考えるのであれば冷えがある陽虚なのか、更年期のような陰虚なのか、疲労感などの気虚なのかによって同じ腎でも捉え方が変わります。ここでぞれぞれの内臓の状態を把握した所で、アキュゾーンでの治療には同じ腎として捉えるのであまり関係ありませんが、VEMの時にとても重要になります。もしVEMをやっていないのであっても、生活指導において必要な情報となります。
陽虚なのに冷たいものを好んで飲んでいたり、肌の露出が多くて冷える機会が多いとせっかくの治療もまた元に戻ってしまいます。ましてや、治療する時間よりも自分自身で過ごす日常生活においての時間の方が圧倒的に多く、患者になる人はなるべくしてなるような生活を送っているからです。それを把握しないと慢性疾患を抱えている人は改善していかないでしょう。
もちろん、毎回の治療で圧痛を除去して完璧な治療をすることは必要ですが、その患者の背景も考慮するために問診は大切です、ということを今回は記したいと思いました。
慢性疾患でも諸々の処置や生活改善がうまくいっていれば、触診の際に確実に変化しているのがわかります。その変化を追うのは、案外患者自身も慢性であればある程、良い変化が出ていれば面白がってくれてより治療に前向きになってくれます。