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アキュゾーンの役割

アキュゾーンは実は治療における一つの道具です。

中野先生はアキュゾーンのみで治療されていると思われている方もいると思いますが、ISTという治療を行う中での一つの要素がアキュゾーンです。

ISTとは、アキュゾーンとVEM(バイタルエナジーマッスルテスト)の2つを組み合わせて相乗効果を期待する治療です。

アキュゾーンのみでも改善していきますし、軽い症状の人であれば問題ありません。問題なのは慢性疾患であれこれと症状を複数、または長年持っている人です。このような人を改善していく上ではアキュゾーン単体で行うよりもVEMを駆使することで治療効果を高めて改善幅を大きくしながら改善スピードも高めていく必要があります。

鍼灸師の資格をお持ちの方で鍼灸専門で行っている人は痛みだけの患者さんよりも、むしろ慢性疾患の患者さんの方が圧倒的に診ている数は多いのではないでしょうか。

鍼灸治療を選択に入れる人のほとんどは、整形外科やマッサージなどを受療しても改善しなかったような人のような感じを受けます。

他の方の治療院の詳細は分かりませんが、少なくとも私の鍼灸院では最終手段として来院する人がほとんどです。

そのために、来院される患者さんには何をしても治らなかった理由が数多くあります。

それは東洋医学的な病症との関連や、食物アレルギーや自律神経失調など、多くの要素が複雑に絡み合っている状態であることがほとんどだからです。

しかしながら、そこまで診察して治療するような治療院が少ないからなのか、そのような考えで行う治療は受けたことがないと言われます。まして、検査して数値や画像で問題ないことがほとんどのため、何が原因なのか分からずに結局その場凌ぎで何とか不調を抱えながら生活しているようです。

そのような方々を相手にするためには、アキュゾーンの技術に加えてVEMもいずれは必要になります。

アキュゾーンの処置は治療においてとても強力な武器になりますし、先述の通り軽症の人にはアキュゾーンのみでも改善できるのでアキュゾーンの技術は限りなく高めていく必要があります。

しかしながら、アキュゾーンのみでは改善していくのに難しいケースもあることも把握しておくと良いかもしれません。

なぜそのような事を言うかというと、結局は症状が重い人は次回までの間に戻ってしまうのです。

アキュゾーンのみで改善していくには中等症以上になると週に1~2回の治療は必須になりますが、それが可能な人はなかなかいないでしょう。時間的な問題がありますし、経済的な問題も現実問題としてあります。

そこでVEMによって日常でのサポートをする要素を入れるのです。例えば漢方を服用することで日々乱れる状態を平穏にしたり、腸の問題があればそれを修復するサプリや問題となる菌を除菌するサプリや食事などで日頃の状態をサポートします。

そうすると回数を重ねるごとに症状に変化が出てきますので、毎回の治療でその変化を読み取り、その段階ごとに必要な治療や処方を行うことで一段階ずつ改善を図ります。

しかしながらVEMの難しいところは、処方が適正でないと効きません。これはただ単に効かないだけならばそこまで問題ありませんが、逆の処方をしてしまうと悪化する恐れもありますし、さらに病症が複雑になることもあります。

私の一例で言うと、頭痛や首肩こりの症状を持っている肝気鬱結で冷えが強い症状の人に大柴胡湯を処方したところ、それまでの平熱が36.2℃から36.6℃まで一気に上がりました。そのことで冷えを自覚することはあまりなくなったということで冷えに対しては効果的であり、首肩こりも軽減していて触診の際にこちらが確認すると以前よりもはるかに緩んでいる状態であったため、これだけ診ると成功しているように思えます。

しかしながら首肩こりや冷えは軽減したものの新たに胃痛が前面に出てきたり、湿疹が2日間出たという事実があったので、大柴胡湯は実証の人に主に使うものなので少し強かったのかもしれません。大柴胡湯の副作用を見ると胃痛や湿疹が記載されていたので、これらの症状は恐らく副作用でしょう。そこで逍遙散に変更するということがありました。(その時のVEMでは逍遙散よりも大柴胡湯が良いと出ていましたが、VEMの精度の問題があるのだと思います)

このように症状を改善するにはメリットとデメリットの境界を見極めることがとても難しく思えます。一つのものが良くなって、その次にもう一つ深い何かが出てくるのは改善している証拠と言えますが、この一例のように一つ良くなっても副作用が出てしまっては一つトラブルが増えるわけです。そこの塩梅を判別していくのが非常に難しですが、それが出来ないと重症の人は治せません。

そのような視点で中野先生は何十年も経験を積まれていますので、その知識と正確さはいつも肌身に感じています。すぐにこのレベルの内容を実践することはできませんが、この事を知っておかないとアキュゾーンの上達にもいつか壁がくると思います。

このような理由で今回はアキュゾーンの役割という内容についてお話ししました。

いずれはISTも目指したい人でも、まずはアキュゾーンの内容を濃くしていかないと大きな相乗効果は期待できません。また、アキュゾーンで行うことは圧痛の消去をして症状を改善することなので、現実のありのままをタイムリーで判断できるためある意味わかりやすいでしょう。

なので、まずはアキュゾーンで多くの症状の処置ができた上で、VEMも少しづつ取り入れていけるようになるとISTに近づけると思います。

もし治療方法を模索しているならば、そこのレベルまで目指して腹を据えて取り組んでみてはどうでしょうか。他にも良い治療方法はあると思いますが、探しているうちに時間は過ぎていきますので、どれかに決めたらそれを突き詰める方が有効的に感じますし、皆さんが目指す成功へ繋がるのではないでしょうか。

その中でISTを目指す仲間が増えて来れば、大変嬉しく思います。

  • この記事を書いた人

島田正寿

2014年に寿鍼灸院を開業。以来、鍼灸専門で様々な疾患を持つ患者さんを治療している。また、寿鍼灸院での臨床の他、学校教員やスポーツ現場でも活動中。師匠はアキュゾーンセラピーを築き上げた中野雅章先生。

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