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治療と圧痛取りの違い

中野先生のセミナーに参加された方々は「ただの圧痛取り」というワードを耳にしたことはありませんか?

これは「治療」という行為と「圧痛取り」という行為は似て非なるもので、全く異なる行為のためにそのように言われています。

ではどのような違いがあるかを説明していきます。

圧痛取りは読んで字の如く触診で見つけ出した圧痛をただただ取り除いていくということです。

アキュゾーンにおいては治すべき所の圧痛を見つけ出して、その圧痛を取り除いていくので確かに行う行為は圧痛を取ることなので何が問題なのかと思うでしょう。

これは圧痛に対しての意味をきちんと自分の中で捉えられているかどうかが大切になります。

圧痛は体のサインを読み解く情報であり、それをこちらがどこにどの程度出ているのかを把握することは大切です。

ただし、この段階の考えで治療をしてしまうと冒頭にもお話しした通りこれは圧痛取りという行為になります。

なぜ圧痛取りが良くないのかというと、圧痛の意味まで考えていないからです。

圧痛がなぜその場所に出ているのか、その圧痛は他の圧痛とどのような関連があるのか、どのような意味があるのかということまで考えて治療にあたらなければ治療の目的は圧痛を取り除くということだけになります。

さらにその前段階で実は重要なことがあります。

それは触診をする前に問診などの情報から、どこに問題がありそうなのかをある程度絞っていないといけません。

触診をしながら考えれば良いと思う方もいるかもしれませんが、それでは実は大切な部位の反応を見逃してしまいます。

例えば、明らかに肝に異常がありそうだなと思って仰臥位において触診をするとしましょう。すると本来の右期肋部が肝のポイントでありますが、もしそこに圧痛が出なければ「おかしい」と思い、本来の肝のポイントの少し外側や、肋骨の上も探ったり、それでも出なければ右背の魂門の付近も探ったりということが出来ます。

しかしながら肝にありそうだという考えがない触診ならばどうでしょうか。本来の肝のポイントに圧痛が出なければそのままスルーして進めてしまうと思います。

だから目的を持った触診でないと本当に適切な反応を読み取ることが出来ないのです。

これは全てのポイントに言えることですが、必ずしも基本的なポイントに圧痛が出るとは限りません。

人によっては若干ズレていたり、サブのポイントに強い圧痛が出ることもあります。

そのために、触診の前段階で目的を持ってあたらないと、いとも簡単に大切なポイントを見逃してしまうのです。そうなれば当然治療後の結果も出ないでしょう。もし出たとしてもそれは一時的なものに過ぎず、すぐに戻ってしまうことでしょう。

このことがただの圧痛取りと治療という大きな違いです。

目的を持って行えば、的確な触診を施せるし治療においてもこのポイントが取れないのはおかしな、など色々な気づきを得られますが、目的がなければ的確な触診もないために治療も圧痛を取るためだけの取穴になってしまいます。

初めのうちは自分の治療計画と患者さんの体が求めていることと一致させることは難しいです。

しかしながら、目的を持って治療を行うことで自分の計画があっているかどうかが判断できますので、合っていればそのまま続けていくし、もし違うようならばそこで修正していけます。その積み重ねが経験となり技術の差となっていきます。

そのため、まずは合っているかどうかは置いておいて、自分の目的を明確にした治療を行うことをすると良いでしょう。そこから初めて学べることがあります。

アキュゾーンはシンプルなシステムですが、シンプルと単純・簡単は違います。シンプルなものほど物事は難しいです。だからこそ、一つずつ突き詰めていく必要があるのでしょう。

初学者の方達は特にこれらの事を意識して行ってみてください。

  • この記事を書いた人

島田正寿

2014年に寿鍼灸院を開業。以来、鍼灸専門で様々な疾患を持つ患者さんを治療している。また、寿鍼灸院での臨床の他、学校教員やスポーツ現場でも活動中。師匠はアキュゾーンセラピーを築き上げた中野雅章先生。

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